パラと野球

こんばんは。アイスを持参。アイスおじさん。おぐーです。

今日は仕事、緩めだったからパラリンピックと高校野球とプロ野球を堪能した。とてもラグジュアリーな一日でした。

パラリンピックはゴールボールと5000mと走り幅跳びを。高校野球は近江とちべんを。プロ野球は西武戦を。

ボクはやっぱり観戦も実践もスポーツとして好きなんだと思った。

パラリンピックはオリンピックとはまた違う面白さと肉体の躍動感がある。障害の程度と種類が競技の、相手の攻略にダイレクトに響いてくる事情がパラリンピック競技にはある。異なる状態の競技者が同じルール上でメダルを争う光景は一見すると不条理に思えるが、なんの事はない、それは現実社会でのボクたちの日常のそれと何ら変わらない。

野球を一例にしたらすぐにわかる。

ボクはいつかホームランを打ちたいというシンプルな欲求を糧に野球を続けているけど背が低い、太ってる、小さい頃の野球経験が無い、などの目標に対して大きなハンデキャップを負った上で野球を続けている。もっと恵まれた体格、資質をもっていたらそんなことは簡単に出来るんだろうなぁといつも思う。けどそのハンデを負った状態を含めてボクという人間が構成されているわけでして、そこがそうでなかったらもうボクではないのです。そして一人一人、個性を持った人間は誰一人として同じ条件の人は居ない。万能の人間が居ないように、ハンデを持たない人間もまた居ない。そう思わないのだとしたらそれをハンデであると本人や周りがとらえていないだけなのである。

皆異なる能力や体格をしている事をアイツに比べて俺は不公平だと捉えて野球をするわけではない。その現実を受け止めた上で自分なりの野球を探求し、堪能しているのがボクたちの日常なわけです。そしてそれはパラリンピックに出場している選手達が置かれた状況と何ら変わらない事に気が付くだろう。

障害を持つことで却って強くなるもの、得るものがあるという事は競技を観ているととても伝わってくるものがある。

不屈の精神、人を寄せ付ける明るい性格、鍛え上げられた肉体、ハンデを克服する知恵と工夫、自らの経験を基にした社会変革への高い意識。

ボクはホームランを打ちたくて、それでも打てなくて、自分自身の不甲斐なさに嫌になることがちょくちょくあるんだけど、パラリンピックに出てきている人たちを観ていると不甲斐ないのは能力じゃなくてすぐに諦めそうになる心の弱さの方なんだろうなと思わされてしまうのだ。

車椅子競技をするパラアスリート達の太い肩、腕を観てみて欲しい。日常生活であんな腕になる人は筋トレバカ以外居ない。彼らは自己実現のために必要だからあのような「進化」したのだ。

走り幅跳びのT61の両足義足、T63の片足義足の選手達の助走の力強さを観て欲しい。両足が揃っているボクは果たしてあんな加速の助走が出来るだろうかと考える。

無いものは無いと心し、有るものを有りがたいと心し、そして全てを受け入れた上でただ頑張っていくことの限りない難しさと崇高さを彼らを観ていて感じずにはいられない。

パラリンピック観戦は競技としての面白さとは別に、オリンピック時にはあまり感じなかった自分に対しての自問自答を呼び起こす。

そして高校野球。冷静と情熱の両面で楽しませてもらっている。アホなことばかりしているボクにもリアリストとしての一面があって状況に置けるプレーに対しての有用性が疑わしい場面があると、それはどうなん?と突っ込んでしまう事もある。

例えば今日の近江とちべんの9回裏ラストアウトが一塁で取られたが、ヘッスラしている近江の選手のプレーに疑問を持っている。どう観ても勢いが殺されているあのヘッスラよりは駆け抜けた方がセーフになる確立があったと思うし実際、セーフになってのではないだろうか。ボールもタッチされるようなところからの返球でもなかったのでよりいっそうその思いが強く残った。高校野球ではああいうときはヘッスラしなければ行けないのだろうか?画になるのかも知れないが、ボクには納得できない選択肢だった。そんなひどく冷静で面白味の無いボクが野球を観ている一方で、今のボクには決して出来ない素晴らしい打撃やあり得ないファインプレーを連発する高校球児達のプレーに興奮を禁じ得ずスゲースゲー言うボクもいたりする。多分双方とも甲子園という特殊な状況下において発現しているプレーなんだろうなとは思っている。負ければ敗退という憧れの聖地甲子園でのプレーに、実力の150%のパフォーマンスを発揮しスーパープレーが生まれ、非論理的とも思われるプレーも方向性は違うが可能性を信じてしてしまうのだろう。

ボクは高校のときに、そんなに人生で打ち込める事をしたことはないので彼らが眩しすぎて羨ましくなります。と、だいぶおっさん的な視点で甲子園を観ているなと気付かされます。年は取りたくないものですね。

それに比べるとプロ野球は背水の陣感が物足りないのですが、プレーに関してはやはり日本最高水準でして神プレーの守備、走塁の抜け目なさ、バッティングの技術と堪能させてもらいました。ボク自身のハングリー精神のなさが幸いしてか、所詮偽ファンと揶揄される程度だからなのか、応援する埼玉西武ライオンズが最下位に沈もうとしている状況でも割といつも通り野球を楽しめています。強いチームだからファンになったわけでも無いし、ボク自身が人生やら野球やら色々と負け慣れてる関係もあって、願いは成就しない事が多いという現実の厳しさを知っているため、頑張っても最下位ということに対して不甲斐ないともあまり思わないです。一生懸命やってもダメな時はあります。そんなことに過度にストレスを感じてなんになるのこと。順位をつけて最下位なら次頑張れば良いし、ダメでも結局また頑張るしかないんですから。やる気を失うのはそれは問題がありますけどやる気でやってダメな時、それを否定されたら一生懸命やってる方からしたら辛いですよね。悔しかったら頑張るのは選手の方だし、ファンは頑張って欲しいと思うけど、それに対して何も直接力添えすることはできないのだ。それにボクの野球感なんて小学生の子供みたいなもんですから、ホームランを打ってくれて、ギリギリのボールをナイスキャッチしてくれて、参考になるお手本プレーを見せてくれて、良いプレーに選手自身が納得してよっしゃ!ってなってるのをかいまみせてくれたらそれだけで良いです。

今日は3つのスポーツ競技でそれぞれの面白さを堪能させてもらった。やっぱり人生にスポーツって不可欠だと思う。こんなに楽しませてくれるんだもん。不要不急?アホか。人間なんて不要不急の塊やんか!それなくしたら味気なさ過ぎるものを無くすなんてとんでもない。

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